会社にとって「税理士」事務所は非常に身近な存在です。まず、経営上の相談は税理士に相談します。それに関連して、給与計算のアウトソーシング先を税理士にするケースもあることでしょう。

「税理士と社労士」一見すると専門家として同じようなサポートが可能に理解されですが、実は給与計算においては税理士と社労士の役割は異なります。

まず、税理士は主に法人税、所得税、相続税などの税務関連の専門家です。給与計算においては所得税や住民税の計算をメインに考えます。変形労働時間制、フレックスタイム制、残業時間の考え方などについては、精通していないケースもあるようです。

一方で、社労士は労働基準法をはじめ、社会保険・労働保険に関する専門知識を持っています。複雑な労働時間管理のしくみ、社会保険料の計算、最低賃金法の変更のタイミングなどより詳細な給与計算の実務を扱っています。

通常の「従業員の入社退社の手続きは自社で行っており、勤怠の考え方が社会保険のしくみも理解している」などのケースは、税理士へのアウトソーシングが向いていると思われます。ただ、税理士事務所によっては、対応しきれないケースもありますので、事前に給与計算業務自体に不安がある場合には、どこまでサポートしてもらえるかをしっかりと相談されることをおすすめします。